ー最後に、エドワードさんにとってのWell-beingとは何でしょうか？

端的に言えば、心身健康であることです。身体も大事だけれども、それ以上に精神の健康がウェルビーイングにつながると思います。DNAが発見されてから、体はもちろんのこと、自分のパーソナリティでさえDNAに支配されている、というふうに思われていますが、先ほどのブルース・リプトン博士が言っているのが、DNA以上に環境が大事だということ。環境はDNAを書き換える力を持っているということは科学的にもう立証されているんですね。

環境でも見える環境と見えない環境があるんだけれども、どちらかっていうと見えない環境が一番大事。特に家庭内というのは子どもにとって最大の環境です。愛が大事なんですね。病は気からというように、自分が思うこと、感じること、あとは創造できることといった精神面が、体の物理的・物質的なものを変えられるんですよ。やっぱり宇宙・愛・神・ポジティブということをベースに持って、それを毎日の生活に置き換えて発信できればすべてがうまくいくと思っています。

ー水の研究もされてらっしゃいますよね。水の分子が、波動によって分子構造が変わると。

我々の体は70％以上が水でできているわけです。水にも記憶力があります。例えばアカシックレコード(アカシアの記憶)やアガスティアの葉っていうのが、科学のゼロポイントエネルギーの考えで説明されつつあるんだけれど、あれは僕は水だと思うんです。この宇宙の最初の元素がH（水素）でしょ。一番シンプルで一番多い物質。それが酸素と結合して水ができる。水って奥が深くて、いろいろな種類があるんですよ。気体・液体・個体の3つの形以外にも、固体と液体の間にもう一つプラズマ的なものがあるらしいとか。そういうふうにまだまだ我々が知っていそうで知らない水の存在っていうのがあるんです。

アカシアの記憶、英語ではAkashic Recordsって言うけれども、僕は”Aqua”shicだと思っています。ベースにあるのが水。サンスクリット語でAkashicっていうのはもともとエーテルを意味します。要するに空間、真空のことです。真空というものは実は真空ではなくて、情報とエネルギーに満ちているんだということが科学的にわかりつつあります。真空１㎤の中には、ある説によると、今把握できる宇宙の物質エネルギー以上のものが含まれているということです。そのエネルギーと情報に満ちている真空を、支えているのがH2O的な存在なのかなと僕は思っているんです。我々が思う液体の水ではなく、粒子的なものではないかと。

ー仏教の「色即是空、空即是色」ですね。エドワードさんは「空（くう）」の中に水を感じていらっしゃるんですね。

大昔から先人たちが言ってきたことがいま科学的に立証されてきているのがすごく面白いんですよ。この物質宇宙の90％はまだ未知のエネルギーで満ちているって言われているんですね。ダークエネルギー・ダークマター、と言われています。ダークというのは暗い・悪いという意味ではなくて、わからない・未知のエネルギーという意味。物質宇宙の90％はわからない、と科学者が言っている。そのうちの70数パーセントがダークエネルギー。我々の体も70％以上が水で、地球の表面上は75％以上が水。そして宇宙のわからないエネルギーマターが同じく75％以上。木の枝や川の枝分かれ、体内の神経の枝ぶりがフラクタル現象的に同じ形を持っていて、大を見るとそこには必ず同じ小の形がある、と考えると、ダークエネルギーも水であり得ると考えられるわけです。

ーエドワードさんにとってのWell-beingとは、心身健康であること、そのためには環境・愛があってはじめて幸せにつながる、ということですね。ありがとうございました。

谷家理香後記：
私にとってエドワードさんは、一緒にいるといつも心が温かくなるような春の陽ざしのような方です。愛や自然、宇宙、神に関する感じ方も、共感することがとても多く、お話をするのがとても楽しいのです。ブルース・リプトン博士のアメリカでの講義やエドワードさんが敬愛するフラーの地球船宇宙号の話、またエドワードさんの著書である「GOoD DESIGN」の随所に「大いなる自然」に対するリスペクトとその真理に近づこうとするエドワードさんの探求心を感じます。それがきっと、時に「建築」であったり、「水の研究」であったりするのですが、そこには一貫して「愛」と「GOoD」と「デザイン」があるのですね。エドワードさんは建築や研究をとおして、「目に見えない大切なもの」が私達の目のまえに見える形にすることができるアーティスト（建築家）でもあり同時に科学者でもあります。私は科学・愛・GOoDは実はとても近い所にあると思っています。