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【第7回】マニヤン麻里子氏 株式会社TPO代表取締役 vol.2

Date 2021.02.17

谷家理香の周りの素敵な生き方をされている方達に、その方が考えるWell-Being Lifeとは?をインタビュー形式で伺った内容をご紹介する、「あの人のウェルビーイング」。第7弾は、コーポレート・コンシェルジュサービス、株式会社TPO代表取締役のマニヤン麻里子さんにお話を伺いました。

プロフィール: 一橋大学社会学部卒、仏HEC経営大学院修了。東京で生まれ、3歳から9歳までニューヨーク、21歳から24歳までパリで過ごす。大学院修了後、パリの雑誌系出版社にてグローバルマーケティングを担当。帰国後、仏ソシエテ・ジェネラル証券、米ゴールドマン・サックス証券会社等で金融商品開発や営業に従事。2016年に株式会社TPOを起業。UWC ISAK Japan評議員。新しいヒト・モノ・コトとの出会いや挑戦が好きで、趣味はジョギング。

谷家理香氏 株式会社ウェルビーイングTOKYO代表取締役
【第1回】高橋百合子氏 E.OCT株式会社代表取締役
【第2回】エドワード鈴木氏 鈴木エドワード建築設計事務所代表
【第3回】日沖健氏 日沖コンサルティング事務所代表
【第4回】杉山文野氏 トランスジェンダー活動家
【第5回】Rajshree Pathy氏 Rajshree Group of Companiesチェアパーソン兼マネージングディレクター
【第6回】梶原建二氏 ニールズヤード レメディーズ社長

一番幸せだと感じる時

麻里子さんが今一番幸せだと感じるのはどういう時ですか?

私が「ふう~」と幸せに感じるのは、日々が多くの人との関係性のつながりなので、そこからちょっと抜けた1人の時間とか、1人で本に没頭している時間とかです。自分自身でいられて、何かに没頭できているという時間。具体的には、私の場合は読書とアートです。ある絵と自分が向き合って、そこに没頭しているときとか。

麻里子さんの今までのお話を伺っていると、人とのつながりというのをすごく大切にしていらっしゃるので、そういったことが一番始めにくるのかなと思ったけど、割とそういう…。

1人になる(笑)

そこが興味深いと思って。でも私もどっちかというとそっちの方ですけど、何かそれが自分の中の静けさとかそういったホームというかベースにあっての人とのつながりかなと思うので。

そうですよね。そこに戻れないと逆にバランスが取れない。だから私にとって幸せというのは人とつながっている時間と自分が1人でいる時間があって釣り合っている気がします。その釣り合いを取るのがすごく起業などをすると難しいなと思っていて。

雨がザーッと降っている日に、窓を閉め切って1人で部屋の隅っこで本を読むというのが私の頭の中にパッと浮かぶ幸せ像です(笑)


麻里子さんの華やかな経歴やイメージからすると少し意外に感じました。すごく静かな感じの心象風景で面白いですね。

本当に自分1人の没頭の時間。

自分自身に戻れる場所や時間を持つ

自分が自分自身に戻れる場所ってすごく大事ですよね。私はここ半年ぐらい精神的な調子がすごく悪かったんです。20年住んでいた家をコロナの最中に引越したのですが、かなり慌ただしく引っ越したので、荷物の整理が追いつかなくて。とりあえず家具など運びいれたものの、インテリアや物が定位置にピシッと収まらないし、片付かないし、必要なものどこにあるかわからない状態で生活の基盤が揺らぎました。前の自宅は20年かけて育ててきた自分の半身だったようなところもあるので、精神的な落ち着ける場所を無くしてしまったような気分になりました。こういうときこそ、瞑想だ、とおもったのですが、瞑想する気力もでない。私にとって居心地のいい家ってすごく大切なのだと今回改めて実感しましたね。半年ぐらいかけて、ようやくインテリアがピシッと整ったらとたんに気分がよくなりました(笑)

理香さんにとってはインテリアとか住環境を整えるというのが精神的なバランスにつながっていて、それが自分らしくいられる場所だということですよね。

ほんとうにそうですね。あと仕事や体調とかいろいろな事が重なってすごく精神的なエネルギーが下がる時あるじゃないですか。問題が解決すれば状況がよくなるのは当たり前なのですが、瞑想とかが上手くいったり、うまく気分転換ができたりしてエネルギーが上がってくると心ふっとフラットになる感覚がある。この半年、プチ鬱状態のときには「今は心のエネルギーがすごく下がっている状態だから私ネガティブになっているけれど、あのフラットな所に私は戻ることはできるんだから」と客観的に考えるようにすると楽になりましたね

今伺って、「何かあった時はそこに戻ってみる」という意識を向けるというのは大事だとおもいました。いろいろ重なるというのは本当にそうで、私もやっぱり本当に周りが全部灰色になった時が一時期あって、このままいくと本当に生きている意味も分からなくなっていって、そういう時って問題は1個じゃないですよね。夫婦の関係と子どもと、仕事と家族の病気と金銭の問題みたいなのが重なって。

全部を誰かが代わることはできないんですけど、1個解決してもらうことはできることがあるのかもしれないとか、1個助言してもらえたり、相談できる人が1人いたら少し救われたかもと思っていました。そこをやりたくて。それをやっていて人のそういうウェルビーイングな環境を作りたいとその時思ったんです


分かります。私もウェルビーイングとかいろいろ書いていながら、でも自分がウェルビーイングじゃない時があるのは何かちょっと恥ずかしいな、と思った時があって。だけど最近コロナとかで全体に不安がベースにある。その中で何かすこしづつ重なってくると本当に自分も含めてだれでも精神的に不安定な状況になりうる。

私もその感覚、すごくよく分かります。誰でもなりうる状況なので、その時にやっぱり相談したり何らかのきっかけを作ってくれる人がいたら救える何かがあるかもしれない。

エネルギーが落ちた時の対処法を見つけておく

自分のエネルギーを高く保ち続けるのってすごく大事ですよね。朝とか、ちょっとおかしな人っぽいけど、私は太陽とかの光をおでこに当ててエネルギー充填しています(笑)

分かります(笑)

それがすごいエネルギーで、やっぱり自然の持つ力とか。

まさに、自然ですよね。今言おうとしていました。

そう、ちょっと自然に触れられる所に行くとか。でも自然の中に行けなくても朝起きたときに太陽にあたるというのは誰でも絶対できますよね。麻里子さんも読書の没頭という事をおっしゃったけれど、何か自分一人でできることがあるというのは大事だとおもいます。太陽にあたる、運動、瞑想、ヨガ、本、何でもいいと思います。誰か助けてくれる人がいるということもすごく大切だけれど、いない時もあるじゃないですか(笑)

そうですね。特に今回それを感じた人が多いのではないかと思います。私も例にもれずで、本当に自然の力って必要だと思って。こんなに簡単に気分が落ち込んでしまう時にこれは人間としての弱さなのか、あるいは実は今の社会の現象で、昔は違ったのかなどと考えます。私が思うに、今の社会、特に都心かもしれませんが、あまりにも非人間的というのか、生活が自然や環境とかけ離れてしまって、そこに戻れないからさまよってしまう。そんな中、本なのか、瞑想なのか自然なのか相談できる相手なのか。そういう自分なりの出口へのプロセスをもつことは大切ですね。

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